最終更新日:2022/12/02
※「PayPayモール」は2022年10月12日(水)より「Yahoo!ショッピング」と統合され、サービス終了となりました。現在「PayPayモール」としては新規出店の受付などは行っておりません。
今後の「ヤフーショッピング」への新規出店方法・登録方法・手数料・手順・審査対策などは、コチラからご確認ください。
2019年、Yahoo!ショッピングの上位モールとしてPayPayモールは誕生しました。厳しい出店レギュレーションを経て選ばれたストアのみが出店でき、大手有名企業の公式ストアが充実しています。
消費者に「安心」を提供することを重視して、安全が保証されたストアの高品質な商品を迅速に届ける、というストレスフリーなお買い物体験を実現させています。
PayPayモールの出店者の商品は、同モール内だけではなく、「Yahoo!ショッピング」内の検索結果にも掲載されるため、単純に商品の露出回数は大幅に増やすことができます。
また、購買意欲の高いユーザーが集まっているので、着実に商品が売れるとして注目が集まっています。
本記事ではPayPayモールの概要とその特徴、メリットや出店条件について触れています。
目次
PayPay自体は、「100億円あげちゃうキャンペーン」などで有名なオンライン決済サービスで、ヤフージャパンとソフトバンク株式会社が母体となっています。現金やクレジットカードを使わず、スマホアプリで支払いができる点が特徴です。
そのPayPayブランドを冠した「PayPayモール」が2019年10月に誕生しました。
PayPay利用者向けのプレミアムモールという位置付けで、高い出店基準をクリアした店舗のみが出店できる、まさに「選ばれしストアだけが集う仮想モール」です。
実際、Yahoo!ショッピングの全ストア数は87万店舗とも言われていますが、PayPayモールは「約600店舗」とかなり厳選されています。
Yahoo!ショッピングは2013年の「eコマース革命」によりストアの出店数を急激に伸ばしてきましたが、その反動として稼働していないストアや、怪しげなストアも蔓延し、Yahoo!自身が取締りを強化していました。
それら低品質なストアとの精査、競合モールと差別化、そもそも出店を控えていた大手事業者へ参入を促す意味もあり、「特別な売り場」を提供する狙いがあるようです。
「ワンランク上のお買い物体験」をテーマに掲げており、厳しい出店基準に達した優良ストアのみが出店できるようになっています。
そのため自然と大手優良企業が自社で運営しているストアや、高品質な商品が揃うようになり、プレミアムモールとしての位置付けを保っています。
モールのデザインを工夫し、ファッションや家電など商品ジャンルごとに適切なデザインを採用しています。
モール全体で商品の表示形式に統一感を持たせつつ、ブランドごとにヘッダーをデザインできるようになっており、企業の個性を出すことも可能です。
また、ファッションやインテリアなどはデザインとしての写真に力を入れており、「コーディネートから探す」タグでは、ファーストインプレッションが重要なファッションとインテリアの2つのカテゴリーをピックアップし、Pinterest形式で写真が閲覧できるようになっています。
その他にもカテゴリーや人気ブランド、閲覧履歴からのおすすめなど、非常に検索性も優れており、他商品との比較もかんたんにできます。
在庫連携機能により、実店舗にある商品の在庫を検索し、店舗での受取または配送が選べるなど利便性も高いサービスです。
PayPay利用者にとって嬉しい高めの特典やキャンペーンを頻繁に行っています。
PayPay残高、またはYahoo!カードで決済するといつでも最大6%がキャッシュバックされ、Yahoo!プレミアム会員なら最大8%相当が戻ってくるというものです。(※2021年1月時点)
他にも、ソフトバンクスマホユーザーを高額ポイントの還元など、ユーザー別に優遇キャンペーンを設けることで、「お得だから買う」というリピーターと、コアなファンの創出・獲得に努めています。
PayPayモールでは14日間の返品・交換を受け付けています。
一般的な通販ですとクーリングオフができず、ショップごとの対応に任せるといったECモールがあるのに対して、ペイペイモールではこうした消費者保護を図っており、「お客様都合」の場合でも返金できるとしています。チャットや電話ですぐカスタマーサポートと繋がれる点も消費者にとっては安心ポイントです。
それでは次に、具体的なPayPayモールの出店方法と、その条件について見ていきましょう。
PayPayモールには、Yahoo!ショッピングと異なる厳しい出店条件があります。
以下の①〜④いずれかの条件を満たし、かつその出品・出店基準に該当する出店者に限り、PayPayモールで出店することができます。
出店レギュレーションは以下の通りです。
なお、(※)の優良店とは、Yahoo!が指定するストアパフォーマンスに基づき、認定されるものです。
PayPayモールへの出店には、申し込みから約2ヶ月ほどかかります。
PayPayモールはYahoo!ショッピングの事実上の上位モールなので、まずはYahoo!ショッピングに店舗を設置している必要があります。「PayPayモールのみの専用申し込み」はありませんのでご注意ください。
その後契約審査に入り、審査結果が通知されます。
審査に通過したらプラン変更を行い、申し込み情報をフォームに入力します。その後は開店準備と開店審査を経て、合格したら無事開店となります。
PayPayモールの利用料金は、2021年1月時点でYahoo!ショッピングの基本プランにかかる手数料の他に掲載料が「一律3%」かかります。
※引用:https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/paypaymall/
Yahoo!ショッピングの初期費用、月額システム利用料、売上ロイヤルティは無料ですが、その他にストアポイント原資負担、キャンペーン原資負担、アフィリエイトパートナー報酬原資、アフィリエイト手数料がかかります。
また、お客様が商品を購入した時に発生するユーザーインセンティブ(PayPayボーナスまたはPayPayボーナスライト、Tポイント)が「最低2.5%」発生しますので併せてチェックしておきましょう。
Yahoo!ショッピングの上位モールに位置付けられているPayPayモールですが、具体的にどう違うのでしょうか?
順番に見ていきましょう。
PayPayモールもヤフーショッピングも、運営元は同じヤフー株式会社ですが、前述した通り、出店基準が大きく違います。
Yahoo!ショッピングは2013年の「eコマース革命宣言」以来、全てのストアに対して幅広く門戸を開いてきましたが、その一方で稼働していないストアや怪しいストアなどが増えてしまったのです。
ヤフー自身も取締りは強化しているものの、ストアの質は玉石混交と言えるでしょう。PayPayモールはそういった悪質なストアを徹底的に排除し、消費者に安全を提供するために一段と厳しい出店条件を設けています。なお、両方のモールに同時に出店することはできず、PayPayモールに移行したあとは、Yahoo!ショッピングから退店する形となります。
こちらも繰り返しにはなりますが、PayPayモールではYahoo!ショッピングと異なり、税抜き販売価格に対して一律3%の販売手数料がかかります。
メーカー品などの利益が決まっている商品や、ディスカウントショップなどの薄利商品では、利益を出し続けていくことが難しい場合もあります。
新規参入する際には配送コスト等を差し引いても、中長期で利益が出し続けていける商材かどうかを見極める必要があります。
最後に、PayPayモールに出店することで得られるメリットについて見ていきましょう。
Yahoo!JAPANの月間平均利用者数は約6,743万人、加えてPayPayの登録者数は2,400万人を突破し、オンラインとオフラインの両方からユーザーを囲い込むことができます。(※2020年2月時点)
PayPayの加盟店数は194万箇所以上となり、PayPay残高を消費したいユーザーにとっても魅力的なECのプラットフォームとなっています。今後さらに市場は拡大していくと予想され、複数ECモールに出店していて、新たな顧客層を開拓したいと考えている企業は是非参入するべきモールと言えます。
自社ECサイトでは中々難しい大型キャンペーンの開催も、ECモール利用のメリットの一つです。
自社サイトで運用する場合、自然検索の流入に頼るところが大きいですが、こうしたECモールの高いインセンティブは、消費者の購買行動に直接結びつき、キャンペーン狙いの顧客や「ついで買い」の顧客にリーチすることが可能になります。
出店している店舗はこうした大型キャンペーンに相乗りするために、独自の販促や商品の拡充を行うなどして対策しておくと良いでしょう。
「ワンランク上のお買い物体験」と謳っている以上、前述したように出店条件は厳しいものとなっており、誰でも出店できるわけではありません。
しかし、その出店数の少なさが消費者にプレミアムとしての付加価値を提供し、結果として自社のブランディングにつながります。
「PayPayモールに出店しているから」という理由で消費者の信用を得ることができ、知名度があまり高くない企業にとっては、同じくPayPayモールに出店している大手有名企業と同じ土俵に立つことで、自社のブランド力アップにつなげることも期待できます。
出店レギュレーションがある上に比較的新しいECモールなので、現状まだ競合は少なく、先発優位を得られる可能性もあります。
「ネットの買い物はいつもAmazon」、「楽天会員だから楽天市場でしか買わない」など、購入するプラットフォームが決まってしまっているユーザーも多くいます。
こういったユーザーに自社の商品情報を届けて、実際に購入してもらうには、PayPayモールと楽天、amazonなど複数のECモールに同時に出店することも重要な戦略です。
PayPay利用者の増加、プレミアムな売り場や、高級志向を好むユーザー層を中心にPayPayモールはこれからも盛り上がりを見せることでしょう。
ただし、ポイント還元や大型キャンペーン実施時のストア側のポイント原資負担金や、キャンペーン原資負担金も決して安いものではありませんので、販売する商材と利益率などと併せて参入については判断する必要があります。
とは言え、安心安全のECモールとしての認識が広まれば、PayPayモールに出店すること自体がステータスになってくるかもしれません。今後拡大していくであろうキャッシュレス決済をメインに利用するユーザー層を取り込むチャンスにもなりますので、この機会に是非出店を検討してみてはいかがでしょうか。
※引用:https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/paypaymall/