最終更新日:2023/05/25
「個人でオンライン販売をしてみたい」
「実店舗でも販売はしているが、新規開拓としてECサイトを立ち上げたい」
そんな人々の願いを叶えるのが、今やすっかり定着したネットショップ開業。
しかし、ネットショップを始めたい!と思っていても、その始め方や準備の方法、さらにはどんな種類のネットショップがあるのか分からず不安、という方も多いと思います。
ネットショップは「実店舗よりも安く購入できる」「時間や場所に囚われない」という消費者側のメリットに留まらず、売り手にとってもローコストで多くの消費者に来店(閲覧)してもらえるというメリットがあります。
この機会に是非ネットショップについて知り、まずは始めてみましょう!今回は数あるネットショップの中から、PCからの利用者数が国内No.1である「Yahoo!ショッピング」について掘り下げていきたいと思います。
目次
日本のインターネット利用者数は2018年で79.8%で、ネットショッピングの利用者数は50%を超えています。巣ごもり消費や在宅勤務の増加の影響ですが、今後ますますこういった需要は増えていくことでしょう。
国内のECプラットフォームは現在、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングの3強が国内EC市場シェアの約半数を占めています。
その中でもYahoo!ショッピングはPCからの利用者数が国内No.1で、特に比較的高齢のデジタル・イミグラント世代に人気のプラットフォームとなっています。
ストアの出店数では、 Yahoo!ショッピングは「約87万店 (※2019年3月時点) 」と、他のモールと比べても圧倒的な多さです。ただ、新規参入しやすいこともあり、開いただけで稼働していないお店も実際には相当数あるとか。
また、 Yahoo!ショッピングには、約2,300万人もの会員がいます。
楽天には及びませんが、ソフトバンクの携帯ユーザーやPayPay会員の取り囲みなどで商圏を広げ、会員数としてはとても伸びているプラットフォームだと言えます。
2013年の「eコマース革命」により初期費用・月額システム利用料・売上ロイヤルティが全て無料になりました。
出店費用が無料になったことで、セラーはローリスクでネットショップ開設ができます。参入障壁が低いので、各個人事業主や企業は手軽に始めることができるのです。
ただし、その他のオプション手数料がかかってくるので注意しましょう。各手数料の一覧は以下の通りです(2023年〜)。
※引用:https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/cost/
・Yahoo!ショッピングの手数料一覧
初期費用 | 無料 |
月額システム利用料 | 無料 |
売上ロイヤルティ | 無料 |
ストアポイント原資負担 | 1%〜15%(現在1%は必須になります) |
キャンペーン原資負担 | 1.5%は必須になります |
アフィリエイトパートナー報酬原資 | 1%〜50%(1%は必須) |
アフィリエイト手数料 | アフィリエイトパートナー報酬原資の30% |
また、商品の購入者が決済サービスを利用した場合、決済サービス手数料がかかります(2023年〜)。
※引用:https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/settlement/
・Yahoo!ショッピングの決済サービス手数料
クレジットカード決済 | 決済金額の3.24%(非課税) PayPayカード(株)発行カード(Yahoo!JAPANカード等)は決済金額の3.0% |
モバイル支払い(キャリア決済) | 決済金額の4.48%(税別) |
コンビニ決済 | 150円/件〜300円/件(税別) |
銀行振込決済(ペイジー) | 150円/件(税別) |
PayPay残高払い | 決済金額の3.0%(税別) |
PayPayあと払い | 決済金額の3.0%(税別) |
ゆっくり払い | 決済金額の3.24%(税別) |
Yahoo!JAPANのトップページには圧倒的なアクセス数があり、1日のページビューは10億以上と言われています。
日本のインターネットユーザーの80%が利用していると言われているYahoo!JAPAN。Yahoo!ショッピングを利用するということはYahoo!JAPANの圧倒的なトラフィック(そのサイトに訪れた訪問者数や閲覧数のこと)を活用することと同じなのです。
Yahoo!JAPANコマースパートナーとは、ヤフーに代わってストアのニーズに沿った様々なサポートを行う企業です。コマースパートナーにはYahoo!ショッピングを始めとしたEC全般に関する知識と実績を有していることが条件で、審査が通ると認定マークが付与されます。
ストア構築からストア管理、ストア運用に至るまで数多のサービスがあり、無料のサービスも充実しているので、プラスアルファの支援を受けたいと考えている方は、是非Yahoo!JAPANコマースパートナーのソリューションをご検討ください。
さて、Yahoo!ショッピングの概要を押さえたら、次はいよいよYahoo!ショッピングに出店してみましょう。出店にあたって準備するものは次の8つです。
以上が登録できると審査に入り、およそ2日〜10日前後で審査結果が通知されます。
「副業としてネットショップを運営してみたい」という方のために、個人でもYahoo!ショッピングにお店を開くことは可能ですが、「開業届」を税務署に提出して「個人事業主」にならなければなりません(個人名での登録はできません)。
その他、個人事業主の方は申込時に以下もご注意ください。
・会社情報:個人事業主は、確定申告書に記載の屋号またはストア運営される屋号、契約者様ご本人の住民票の情報を記載。
・代表者情報:個人事業主の場合、契約者様ご本人の情報を記載。
以下の書類を準備して本人確認を進めてください。
※2020年2月以前発行の住所記載があるものに限る
取り扱い商材ごとに、下記の情報を「お申し込み情報の入力」に入力しなければなりません。
古物(中古品) | 古物(中古品)を販売する場合、「古物商許可書」情報の入力が必要です。 |
アルコール酒類全般 | アルコール酒類全般を販売する場合、「酒類販売業免許」情報の入力が必要です。 |
医薬品 | 医薬品を販売する場合、「一般医薬品販売業許可証」の情報の入力とコピーの提出が必要です。 |
コンタクトレンズ | コンタクトレンズを販売する場合、「高度管理医療機器等販売業許可証」の情報の入力とコピーの提出が必要です。 |
レンタル商材 | レンタル商材は、「Yahoo!ショッピング」出店でのみお取り扱いいただけます。 |
役務・サービス商材 | 役務・サービス商材は、「Yahoo!ショッピング」出店でのみお取り扱いいただけます。 |
ブランド品 | ブランド品を販売する場合、商材情報の入力(仕入先/卸売先、仕入れ方法、正規流通品であることの証明方法などを入力)が必要です。 |
フォームより申し込み情報を入力し、Yahoo!ショッピングへ出店申請を行います。申し込み時には下記登録情報が必要です。
上記①〜⑧を入力して、「利用条件に同意して次へ」ボタンを押すと、入力したメールアドレス宛に「Yahoo!JAPANビジネスID確認コードのお知らせ」という件名のメールが届きますので、メールに記載されている「確認コード」を入力し、「申し込む」ボタンを押します。
これで申し込みは完了です。下記件名のメールが3通配信されますので、大切に保管してください。
出店申し込みが完了すると審査に入り、約2〜10営業日で審査結果通知が届きます。
無事に契約審査を通過したら、開店までの3週間、以下の準備行う必要があります。
「ストアクリエイターPro」にアクセスしたら、開店申請を行うため、指定された必須項目を全て入力しましょう。公式にきちんとマニュアルが用意されていますので、誰でも簡単に安心して開店準備を行うことができます。以下に準備する項目の一例を挙げましたのでご参照ください。
ストアデザインに凝りすぎて、中々開店準備が終わらないショップさんもいるようです。初めて出店する場合には、そこまで外観に拘らなくても必要事項さえ入力すれば開店申請はできます。ストアの見た目やデザインも大事ですが、開店したばかりの頃は何らかの施策をしない限り多くの訪問者は望めません。そのためオープンしてからストアデザインを少しづつ作り込んでいくという方法でも全く問題ありませんよ。
開店審査には約2〜5営業日かかります。審査が通ったら無事オープンです。
Yahoo!ショッピングへの出店申請が終わると、まず登録銀行口座が有効であるかどうかを確認するために1円入金があります。入金あり=審査通過ではありませんのでご注意ください。
その次に本人確認のための電話がかかってきます。この電話には必ず出るようにしましょう。場合によっては仕入れ元の納品書と公共料金の領収書の提出を求められることがあります。その場合には「NETSEA」(ネット卸のサイト)の納品書を用意しましょう。
Yahoo!ショッピングの出店審査は少々厳しい条件となっており、何回申請しても通らない・・・という人もいるのだとか。
ですが、後述する出店審査の対策をしっかり行えば通りやすくなりますので皆さん是非参考にしてみてください。
出店申請が終わると、本人確認のための電話が7日以内くらいにYahoo!ショッピングからかかってきますので、必ず出るようにしましょう。
万が一出られなかった場合には必ず折り返して謙虚に理由を説明しましょう。そのまま放っておくと、無条件で審査に落ちてしまいます。
Yahoo!プレミアムは月額462円(税抜き、2020年11月現在)でYahoo!グループの様々な特典が受けられるサービスです。
審査側の真理として、自社サービスに加入しておいた方が印象が良いのと、少なからず定期的に課金履歴があるということで信用度が増すからということが考えられます。
深夜に何回も申請して通らなかったが、日中に申請したらすんなり通ったという人が何人もいるようです。
これは深夜などの時間外審査は自動的にはじいており、平日職員がいる時間の方が有利に働くということが考えられます。
クレジットカード情報、銀行口座情報、代表者情報などの個人情報関連は全て名義などの情報が一致するようにしましょう。
入力情報に何か一つでも矛盾や誤りがあると即審査落ちとなります。
出店審査を受ける際には必ず新しいYahoo!JAPAN IDを取得しましょう。
そもそも、以下のYahoo!JAPAN IDは使用できません。
既存のIDで申請したときに、過去ヤフオクで転売認定されるような販売記録があったり、大量の落札記録があったり、ヤフオクやYahoo!ショッピングで高額決済の記録があったりすると申請に通らなくなるようです。
さらに、ヤフオクやYahoo!ショッピングで悪い評価が多かったり、決済事故の経験があったりすると審査が通りにくくなりますので新規のYahoo!JAPAN IDを取得するようにしましょう。
申請すると、おそらく入力した情報からAmazonや楽天市場、ヤフオクなどの他モールでの実績も確認されます。
Yahoo!ショッピングにとってもできるだけ優良なセラーさんにきて欲しいので、気になるショップ評価などがありましたらレビューを修正したり、できるだけ情報が漏洩しないように対策を取っておきましょう。
取り扱い商材の申請の際には「雑貨」「服飾」など無難なもので申請しましょう。
ブランド品などの「追加情報が必要になる商材」は審査が複雑化し、厳しくなります。
「雑貨で申請したからといって雑貨しか販売できないわけではありません。
こちらは個人事業主のみですが、きちんと受付印のある開業届の写しを用意したり、住民税納付書の書類を多めに用意するなど万全の体勢で申請に臨みましょう。
例えば開業届を出している多くの人は、青色申告のために「所得税の青色申告承認申請書」提出していると思います。住民税も前期と前々期の2年分用意できるはずです。
決められた必要最低限の書類だけではなく、より多くの書類を提出すると好印象です。
審査中に Yahoo!ショッピングから以下の書類送付があります。
転送設定していると郵送物が届かずに出店ができないトラブルもあります。必ず転送設定を解除してから申し込むようにしましょう。お届け先がマンションの場合は、部屋番号まで必ず入力も確認しておきましょう。
・法人
口座振替用紙が企業住所に発送。(登記簿謄本記載の住所)
本人確認通知書(本人限定受取)が発送。(代表者の自宅住所)
・個人事業主
口座振替用紙(本人限定受取)が代表者の自宅住所(住民票)に発送。
Yahoo!ショッピング出店の心構えですが、一回落ちたくらいでへこまず、何度でもトライしてみましょう。
上記に記載した注意事項を守ればよっぽどのことがない限り通りやすくなるはずです。
書類の不備や誤字脱字、入力漏れや間違いがないかどうか何度も確認してから申請しましょう。
仮に審査に落ちてしまったとしても、クレジットカード情報や口座情報、IPアドレスを変えてみたり、微調整しながら挑戦し続けましょう。
また、ヤフーは2020年8月19日に自ら設置した「デジタルプラットフォーム事業者情報開示の在り方検討会」の提言書を踏まえ、2020年12月までに「Yahoo!ショッピングの出店審査基準を情報開示することで運営の透明化を目指す」考えを示しました。
今後はたとえ審査に落ちたとしても、以前より対策を立てやすくなるかもしれません。今後のサービスに期待が高まります。
Yahoo!ショッピングには出店審査が通過して喜んでいたのも束の間、開店準備とそれに伴う開店審査というものがまたあります。
ただし、出店審査の場合と違って、開店審査の場合は審査落ちの場合、運営側から理由を教えてくれますので、言われたことに注意して改善し、再審査に臨みましょう。
基本的に、開店準備の項で記載した項目に気をつけて、ストアクリエイターPro」にアクセスし、公式のマニュアル通りに丁寧に入力すれば開店審査で落ちることはありません。出店を急ぐ気持ちを抑えて、時間をかけて丁寧に入力しましょう。
如何でしたでしょうか?
Yahoo !ショッピングはAmazonと違い出店審査があるので、手間に感じる点もあるかもしれません。
しかし、今や日本人の3人に1人が訪れるYahoo!JAPANの圧倒的な知名度と集客力を活用できるので、消費者に対する露出の割合が一気に高まります。
一つの商品ページでカートを争うAmazonと違い、Yahoo !ショッピングでは出店者ごとに商品ページが作成できます。大手のプラットフォームのノウハウを利用しながら、自分独自の販売を行うことができるわけです。
販促や綿密なマーケティングを実践し、今まで以上の利益が見込めるかもしれません。さぁ、皆さんも是非この機会にYahoo !ショッピングを活用してみてください。
※引用:https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/