
楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど、複数のECモールに出店していると、商品登録や情報更新に多くの時間がかかります。
例えば、次のような悩みを抱えていないでしょうか。
- 楽天市場用に作成した商品データを、Yahoo!ショッピング用に作り直している
- 価格や商品説明を変更するたび、各モールへ個別にログインしている
- 商品情報の修正漏れや、モールごとの登録内容の違いを確認するのに時間がかかる
出店先が増えるほど、商品登録や更新作業は複雑になります。そこで重要になるのが、商品情報の基準となる「マスターデータ」の整備です。
マスターデータを適切に構築し、各モールへの展開方法を整理することで、重複入力や修正漏れを防ぎやすくなります。今回は、多店舗運営における商品登録の課題と、作業時間の削減につながるマスターデータの構築・運用方法を解説します。
目次
多店舗展開で商品登録が手間になる2つの要因
1. モールごとに商品登録の仕様が異なる
ECモールでは、商品ページの登録方法や必要な情報がそれぞれ異なります。
主な違いは次のとおりです。
- 商品名や説明文の文字数・使用できる記号
- 必須項目や商品属性
- 画像のサイズ・枚数・登録方法
- 商品カテゴリの構造
- CSVファイルのフォーマット
- 商品コードや識別情報の扱い
そのため、1つの商品データをそのまま別のモールへコピーできるとは限りません。
例えば、楽天市場向けに整えたCSVをYahoo!ショッピング用に変換したり、モールごとに不足している項目を追加したりする必要があります。商品数が増えるほどデータの整形に時間がかかり、登録エラーや情報漏れが発生する可能性も高まります。
また、Amazonでは独自の商品カタログや識別情報のルールがあるため、他のモールと同じ方法で登録できるとは限りません。
2. 情報更新のたびに重複作業が発生する
商品価格や説明文、画像などを変更する場合、各モールに登録されている情報を個別に修正しているケースも多いでしょう。
例えば、次のような作業が必要になります。
- 楽天市場の商品情報を修正する
- Yahoo!ショッピングの商品情報を修正する
- Amazonの商品情報を修正する
- 各モールで正しく反映されたか確認する
このような作業を商品ごとに繰り返すと、修正漏れや入力ミスが発生しやすくなります。
さらに、担当者ごとに管理方法が異なると、「どのデータが最新版なのか分からない」「モールによって説明文が違う」といった問題も起こります。
そこで、商品情報の正しい基準となるマスターデータを1か所に集約し、そこから各モールへ展開する仕組みが重要になります。
作業時間の削減につながるマスターデータ構築・運用の3つのコツ
マスターデータを整備する際は、単に商品情報をまとめるだけでなく、管理項目や識別コード、モールごとの展開ルールまで決めておくことが大切です。
1. 全モールに対応できる標準フォーマットを作る
まずは、商品情報を管理するための共通フォーマットを作成します。
| 管理項目 | 格納する情報の例 |
|---|---|
| 商品コード | 自社で管理する固有の商品番号 |
| JANコード | 商品を識別するJAN・EANコード |
| 商品名 | 商品の正式名称・基本形 |
| 商品説明 | 商品の特徴・仕様・使用方法 |
| 販売価格 | 基準となる販売価格 |
| 商品画像 | 画像のファイル名やURL |
| サイズ・容量 | 寸法・重量・内容量 |
| 素材・仕様 | 材質・機能などの詳細情報 |
| カテゴリ | 自社の分類基準によるカテゴリ |
| 在庫情報 | 在庫数や販売ステータス |
管理項目は、次のように分類すると運用しやすくなります。
- 必須項目:商品コード、商品名、価格など
- 共通項目:複数モールで使用する説明文や画像
- モール別項目:各モール固有の属性や登録項目
- 任意項目:必要に応じて管理する補足情報
このように整理しておくと、商品登録時に不足している情報を確認しやすくなります。
2. 1つの管理コード(SKU)を基準に商品情報を管理する
商品情報を効率的に管理するには、商品ごとに1つの管理コード(SKU)を設定し、そのコードを基準に各モールの商品情報を管理することが重要です。
商品名だけで管理すると、表記ゆれや類似商品の取り違えが起こる可能性があります。
例えば、同じ商品でも次のように表記が異なる場合があります。
- ステンレスボトル500ml
- ステンレス水筒 500ml
- 保冷ボトル 0.5L
商品名だけでは同一商品か判断しにくいため、商品ごとに固有の管理コードを設定しておくと、登録・更新する商品を正確に判断しやすくなります。
楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど複数のモールで販売する場合も、商品管理の基準となるコードを1つに統一します。各モールの登録作業では、このコードをもとに商品情報を作成・更新する運用にすると、管理方法が複雑になりにくくなります。
例えば、次のように管理します。
| 管理コード(SKU) | 商品名 | 販売先 |
|---|---|---|
| ABC-001 | ステンレスボトル500ml | 楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon |
| ABC-002 | ステンレスボトル750ml | 楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon |
このように、1つの管理コードを全モール共通の基準にすることで、商品情報の管理や更新対象を判断しやすくなります。
ただし、カラーやサイズなどのバリエーションがある商品では、在庫管理上の最小単位ごとにSKUを設定する場合があります。例えば、同じTシャツでも「ブラック・Mサイズ」と「ホワイト・Lサイズ」を別々に管理する場合は、それぞれに異なるSKUを設定します。
なお、楽天市場の商品管理番号、Yahoo!ショッピングの商品コード、AmazonのASINなど、モールごとの識別情報は同じものではありません。これらを無理に同一化するのではなく、自社では1つの管理コードを基準として運用し、各モールの登録仕様に合わせて使用することがポイントです。
3. モール別の変換・更新ルールを決めておく
マスターデータを作成しても、各モールへの反映方法が決まっていなければ、担当者によって作業内容が変わってしまいます。
あらかじめ、次のようなルールを設定しておきましょう。
- 商品名:共通の基本情報に、モールごとの文字数や表現ルールを反映する
- 商品説明:共通の仕様情報に、モール別の注記を追加する
- カテゴリ・属性:自社カテゴリとモールカテゴリの対応表を作る
- 画像:ファイル名や使用する画像の順番を統一する
- 価格:基準価格と販売価格の決定方法を明確にする
- 更新作業:担当者、承認方法、変更履歴を決める
登録前には、次の項目をチェックすると安心です。
- 商品コード・JANコードに誤りがないか
- 商品名や説明文に不足がないか
- 価格・サイズ・容量が正しいか
- 商品画像が正しく紐付いているか
- モールごとの必須項目が入力されているか
- カテゴリや属性が適切に設定されているか
さらに、登録後には実際の商品ページを確認し、価格や画像、説明文が正しく表示されているかを確認しましょう。
商品登録を効率化するGoQSystem
マスターデータを整備するだけでなく、各モールへの登録・更新作業を効率化する仕組みも必要です。
GoQSystem(ごくーシステム)は、受注管理や商品管理、在庫管理など、EC運営に必要な業務を一元管理するシステムです。
商品管理機能を活用することで、商品情報をまとめて管理し、各モールへの登録や更新作業を効率化できます。
GoQSystemの商品管理機能で商品情報を一元管理
商品管理機能では、次のような業務を効率化できます。
- 商品データの一元管理
- 商品情報の取り込み・編集
- モール別の商品データ作成
- 商品の一括出品・更新
- モールごとのカテゴリ変換
商品情報を1か所で管理できれば、価格や説明文などを変更する際に、各モールへ同じ内容を入力し直す手間を減らせます。
ただし、利用できる機能や対応範囲は、モールや契約している機能によって異なる場合があります。導入前に、自社の運用に必要な機能を確認しておきましょう。
AIアシスタント「KiNT」で商品情報の入力を支援
GoQSystemには、AIアシスタント「KiNT(きんと)」もあります。
KiNTは、商品画像をもとに商品名やカテゴリ、説明文などの商品情報の入力を支援する機能です。商品登録時の初期入力を効率化し、担当者の作業負担を軽減することが期待できます。
ただし、AIが作成した情報は、そのまま登録するのではなく、人による確認が必要です。
特に、次の項目は必ず確認しましょう。
- 型番や商品コード
- サイズ・容量
- 素材・仕様
- 販売価格
- 商品画像との整合性
AIによる入力支援と人による最終確認を組み合わせることで、作業スピードと情報の正確性を両立しやすくなります。
KiNTの詳しい活用方法や注意点については、以下のコラムで紹介しています。
ECサイトでAIを活用するメリットとは?活用方法・事例と注意点|GoQSystem公式コラム
まとめ
多店舗運営で商品登録や情報更新に時間がかかる場合は、商品情報の基準となるマスターデータを整備することが重要です。
構築・運用のポイントは、次の3つです。
- 全モールに対応できる標準フォーマットを作る
- 自社商品コードやSKUを整理し、商品情報を紐付ける
- モール別の変換・更新ルールをあらかじめ決めておく
マスターデータを整えたうえで、GoQSystemなどの商品管理システムを活用すれば、重複入力や修正作業の負担を減らしやすくなります。
商品登録にかかる時間を見直し、商品企画や販促、顧客対応など、売上や顧客満足度の向上につながる業務に時間を使える体制を整えましょう。






